こだわりの育て方
自然林に覆われた鹿児島県高隈山。木漏れ陽が降り注ぐ森の中腹に、三清屋ファームはあります。
「自然で安心で美味しい本物を」と、とことんナチュラルな黒豚づくりを追求して30年超。放牧スタイルで育てる黒豚は、安全なものだけを与え、抗生剤や成長ホルモン剤などとは無縁です。森の恵みをたっぷりと受けたこの黒豚を、わたしたちは、「かごしま森の黒豚」と名付けました。
三清屋ファームには、セメントで覆われた豚舎はありません。屋根と木柵だけの木舎の床には、水はけがよく殺菌作用のある鹿児島特有のシラス土を敷設。消毒剤ではなく、バクテリアを増やすバイオTY菌を撒いて臭いや虫を防ぐなど、自然の力を生かした清潔な環境です。豚の糞尿は、堆肥化して食料や飼料となる野菜の栽培に利用する完全循環型農業を実現しています。
放牧型ファームであるため、豚にとっては森そのものが遊び場。ミネラルを含む赤土やドングリを食べたり、汲み上げた地下水で水浴びしたり。暑い日は木陰で昼寝をし、寒い日は寄り添って日向ぼっこするのどかな風景です。
人がストレスを与えることがないので、人の姿を見ると、喜んで尻尾を振りながら走り寄るかわいい姿が見られます。
遺伝子までも破壊する環境悪化が進む現代。次世代を担う子どもたちのためにも、安全で安心な、未来を作る食べ物の作り手になろう!と一念発起し、手探りで養豚を始めました。「自然で、安心で、美味しい」が三清屋ファームの基本です。
それを実現するためには、まずは本来の豚らしくある環境を作ってやること。自分たちが手をかけられる頭数に絞り、便利な資材や薬に頼らない放牧スタイルにたどり着きました。
手間ひまかけてじっくりと。時流に流されることなく、ただひたすら品質の向上だけを求めて豚と向き合ってきました。「おいしい!」「安心!」と喜んでくださるお客様と、健やかに育つ豚たちの笑顔が、私たちの喜びです。